食中毒の種類と原因は?食中毒の種類別症状と食中毒の種類別予防方法
暑い日が続き、体の抵抗力が落ちてきた頃にいつもこの時期がやって
きます。
みなさんご存知の食中毒です。
毎年必ず食中毒患者が出たという言葉を耳にします。
その時は人事のようにテレビを眺めているだけですが、ちゃんと予防をして
いないと私たちにも食中毒の危険はありますし、これから食中毒が多発する
時期でもあります。
そこで今回は食中毒の種類と原因、食中毒の種類別症状、食中毒の種類別
予防方法をお伝えしていきたいと思います。
食中毒の種類と原因は?
食中毒は、細菌やウイルスが含まれた食品を食べる事で発症します。
食中毒の種類には様々なものがあり、その原因もそれぞれ違います。
食中毒の種類とその原因をそれぞれ見ていきたいと思います。
食中毒になる人の多くがこのウイルス性食中毒にかかり、貝類、特に二枚貝で感染しやすいノロウイルスなどが代表的なウイルス性食中毒となります。
<感染型>
食べ物により摂取した細菌が体の中で増殖し、更に病原性を持つことでおこります。
主な病原物質となるのが、病原性大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌、
カンピロバクターなどで、肉、鶏卵、魚介類、サラダ、不十分な殺菌による飲料水などに多く、生食には特に注意が必要となります。
<毒素型>
細菌が毒素を出した食べ物を体内に入れる事で発症します。
主な病原物質となるのが、ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌で、
サンドイッチ、おにぎり、お弁当など加工食品で発症する事が多いです。
自然食中毒は動物性と植物性の2つに分けられます。
<動物性>
ふぐ、貝などがもつ毒で、テトロドトキシン、サキシトキシン、ゴニオトキシンという毒素が主な原因です。
<植物性>
トリカブト、毒キノコ、じゃがいもの芽がもつ毒で、中でもトリカブトと毒きのこは重症化する可能性が高く、生命に危険が及ぶ可能性がありますので注意が必要です。
その中でも多いのがアニサキスという寄生虫が原因となる事が多く、本来なら人間の体では成長しない寄生虫ですが、胃や腸に入り込み食中毒を引き起こすこともあります。
普通は口に入れない洗剤、農薬、重金属(水銀、鉛など )などの誤飲、また、食品添加物から発症する場合もあります。
食中毒の種類別症状
食中毒の種類により、その症状は様々です。
食中毒により腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状をひきおこします。
それでは種類別にその症状を見ていきましょう。
潜伏期間 24時間~48時間
症状 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱(38℃以下)
・病原性大腸菌(汚染された食品)
潜伏期間 12時間~72時間
症状 腹痛、下痢、嘔吐、頭痛、発熱(38℃~40℃)
・サルモネラ菌(肉、加熱不足の卵、魚など)
潜伏期間 8時間~48時間
症状 腹痛、下痢、発熱(38℃~40℃)、倦怠感、脱力感
・リステリア菌(乳製品、動物性食品、ソフトチーズなど)
潜伏期間 短くて12時間、長くて90日
症状 インフルエンザのような症状が出る
頭痛、吐き気、下痢、筋肉痛、倦怠感、悪寒、発熱(38℃~39℃)
※重症化すると敗血症、髄膜炎、意識障害、けいれんの恐れあり
・カンピロバクター(肉(特に鶏肉)、卵、レバ刺し、サラダなど)
潜伏期間2~7日
症状 腹痛、下痢、発熱(37.5℃~38.5℃)、頭痛、嘔吐、
<毒素型>
・ボツリヌス菌(食肉、魚肉、瓶詰め商品、缶詰、レトルト食品など)
潜伏期間8時間~36時間
症状 めまい、頭痛、呼吸困難、視力低下、言葉がうまく話せない
・黄色ブドウ球菌(おにぎり、弁当、調理パンなど)
潜伏期間 1時間~5時間
症状 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
・セレウス菌(米飯類、めん類)
潜伏期間 1時間~5時間
症状 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
・トリカブト
症状 嘔吐、下痢、口のしびれ、手指の麻痺
※最悪の場合は死にいたります。
・毒キノコ
(猛毒型)
症状 嘔吐、下痢、腹痛
※重症化すると肝臓腎臓障害を引き起こし、最悪の場合は死にいたります。
(神経系症状型)
症状 発汗、よだれ、しびれ、幻覚、神経錯乱
(胃腸症状型)
症状 嘔吐、下痢、頭痛
・じゃがいもの芽
症状 腹痛、頭痛、嘔吐、溶血
<植物性>
・ふぐ
症状 口唇麻痺、舌先、指先、手足のしびれ
※重症化すると歩行困難、知覚麻痺、呼吸困難、言語障害、血圧低下をひきおこし、最悪の場合には呼吸麻痺により死にいたります。
・貝
症状 口唇、舌、顔面のしびれ
※重症化すると歩行障害、言語障害、呼吸麻痺、嚥下困難などをひきおこし
ます。
潜伏期間 2時間~8時間
症状 腹痛、悪心、嘔吐
症状 食後すぐ~1時間後に舌のしびれ、顔面が赤くなる、吐き気、下痢、
発疹
食中毒の種類別予防方法
・ウイルスが蓄積しやすい内蔵の除去
・手指の洗浄、消毒
・調理器具での二次汚染予防
・給水設備の衛生管理
病原性大腸菌(汚染された食品)
・生野菜は良く洗いましょう
・食肉は中心部分まで十分に過熱
(75℃以上で1分以上加熱)
・調理器具を十分洗浄し消毒する
・手指の十分な洗浄、消毒
・水道水以外の水を使用する場合は
定期的に水質検査を受ける
サルモネラ菌(肉、加熱不足の卵、魚など)
・手指の十分な洗浄、消毒
・卵は新鮮なものを購入し、殻にヒビが入っていないか確認し冷蔵保管、
期限内に消費
・卵の割り置きはせず、卵を割った時点で
すぐに調理する
・肉や卵などは十分加熱
(75℃以上で1分以上加熱)
・食肉類の生食は避ける
・ペットに触れた後は十分に手洗いをする
・ネズミ、ゴキブリなどの駆除を徹底
リステリア菌(乳製品、動物性食品、ソフトチーズなど)
・生野菜は食べる前に洗う
・冷蔵庫を過信しない
・70℃の加熱
・生肉に使用した調理器具はよく洗い消毒する
・生の食肉類は食べず、肉は十分に加熱する
カンピロバクター(肉(特に鶏肉)、卵、レバ刺し、サラダなど)
・十分な加熱
・飲料水の煮沸
・生食と調理した肉類は別々に保存
・食肉類は他の食品類と接触しないように、保管容器や調理器具を分ける
・調理器具からの二次汚染防止の為、十分な洗浄、熱湯消毒
<毒素型>
ボツリヌス菌(食肉、魚肉、瓶詰め商品、缶詰、レトルト食品など)
・低温保存と食べる前の十分な加熱
・新鮮な材料を使い、充分に洗浄する
・真空パックや缶詰が膨張していたら食べない
・外観が真空パックに似ている物でも、常温保存できない食品があるので、
よく保存方法を確認する
黄色ブドウ球菌(おにぎり、弁当、調理パンなど)
・手指の洗浄、消毒
・手指に切り傷や化膿巣のある人は、食品に直接触れたり調理しない
・調理中に髪の毛や顔などを触らないようにする
・下ごしらえから、調理、食べるまでの時間はなるべく短時間になるように
する
・おにぎりは素手でにぎらず、ラップで包むようにしてにぎる
セレウス菌(米飯類、めん類)
・低温保存
・調理後室温で放置せず、速やかに低温(10℃以下)で保存
・一度に大量の米類やめん類を調理しない
・調理するときは食べきれる量だけを作り、大量に料理して残さないように
する
・トリカブト
全草が有毒です。
食用のニリンソウ、モミジガサ、ゲンノショウコ等に似ている為、
誤って口にしないようにしてください。
知識が浅い方などは特に注意が必要です。
・毒キノコ
キノコには猛毒のキノコもあり、食べてから短時間で死にいたる場合も
あります。
中には食用キノコと間違いやすい毒キノコもある為、見分けるのは非常
に難しいと言われています。
知らないキノコは採ったり、食べたりしないようにしましょう。
また、キノコを人にあげないようにしましょう。
・じゃがいもの芽
じゃがいもの芽や光に当たって緑色になった部分やまだ未熟なジャガイモ
にも自然毒が含まれています。
調理の際は芽の部分を完全に除去し、皮が緑色の部分は厚めにむくように
して下さい。
<植物性>
・ふぐ
一般の人がふぐを調理して食べることはかなり危険です。
ふぐの毒は通常の加熱では壊れないくらい強い為、最悪の場合死にいたることもあります。
また、販売されているアジなどのパック詰めにふぐが入っている場合もあるので、見た目が違う魚が入っていないか十分注意が必要です。
・手指の洗浄、消毒
・食材毎に、手、包丁、まな板、調理機器、調理器具を洗浄、
除菌、乾燥する
・食材ごとに調理器具を使い分ける
・食材に直接触れず、衛星手袋を着用する
・75℃以上1分以上の加熱
・特に長期保存が可能な加工食品などは極力食べないように
しましょう。
まとめ
食中毒は暑い時期だけではなく、寒い時期にもおこるものです。
食中毒にならないためには、日頃から食品管理や衛生管理を十分に
行うことが重要となります。
なるべく肉の生食は避け、肉は十分に加熱、魚は早めに内臓を取り除き
完全冷凍するなど、徹底してください。
他の食材も念入りに洗うなどして、食中毒予防をしていってくださいね。
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